その手に錠をはめるまで
「おい、ルイ。
てめぇ、ここに関係ない人間を入れるなって言っただろ」
「あっれ~?
その声はぁ、リツくーん?」
とたんに聞こえてきた声に、なんでもないように返すルイ。
誰だ?
暗いところには慣れているから、早くも夜目が効くようになったあたしは周りを見渡す。
長い机に大きなイス。
そこはまるで、あの有名な画家の“最後の晩餐”というやつみたいで。
感じた悪寒を振り払って、あたしはリツと言われた奴を見つける。
「てめぇのその話し方、ウゼェって何回言ったら分かんだよ?」
捉えた姿は少し神々しくて。
だけど、ここにいるってことはそれなりの奴のはずだ。
それなりの悪行を成し、今この場にいるんだ。
そう考えたら、あたしの心がうずきだす。
ああ、早く、早く・・・・・・ってね。