その手に錠をはめるまで


あたしにそう言ってきたルイは偉そうに微笑む。



「そうですねっ、惚れちゃいそうです!」



うえっ、吐き気がする。


あたしマジでこんなキャラじゃない・・・・・・。


惚れるとか、無理無理。



「え~、心変わり早い~」



ルイがほざいているけど、知ったこっちゃない。



「ルイさんも好きです!」



ああ、機嫌とるような奴じゃないんだって。



「で、俺は早く入って来いと言った」



俺に逆らうのか、みたいな感じでルイを睨んでいる彼。


うーん、俺様すぎて受け付けないかも?



『うまくやっていきたいなら、自分の考えを捨てろ』




急に頭の中に浮かんできた言葉は、あたしに響く。



< 29 / 169 >

この作品をシェア

pagetop