その手に錠をはめるまで


急に話したかと思えば、なぜか唐突に意味不明なことを言われた。


当の本人はそれを気にすることもなく、満足げに微笑んだ。


うわ、すごい色気・・・・・・。


消しゴムでかき消したかのような真っ白な髪の色。


それが部屋の照明を反射させていてつらい。


白い髪はさらりとしているのが見てとれて、今は男ながらにというべきか、すごく羨ましい。



「“入れ”って、まさかてめぇ・・・・・・」



はぁ?


あの言葉だけで分かったの、リツ。



「ああ」



「ダメに決まってるだろ。


もうこれ以上は見つかるんだよ」



見つかる?


意味深な言葉にあたしは気にしていない風を装う。



「まだだ」



一言はっきりと言ったランは、この場を黙らせた。



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