その手に錠をはめるまで
女子の方では平均的だと思う。
それでも、ここは男だけの世界だ。
プルプルと震えて、睨む。
「そんなに言うなら別にいいんじゃないかなぁ?」
「っ、ルイ!」
ルイの間延びした声とともに、リツの咎めるような声。
「だからさっきから言っている」
ランの少しいじけたような声に笑いそうになるけど、みんなはいじけていることすら分からないみたいで。
笑いなんてもってのほか、青い顔をして突っ立っている。
「あのっ、どこに入れって言っているんですか!!?」
もういい加減イラつきがピークなんだけど?
「ああ、1人分の席が空いているからな」
「そうそう、彼2日前にここを出て行っちゃってねぇ」