その手に錠をはめるまで


楽しむようなリツとルイの声。


そして極めつけが・・・・・・



「LOCKの幹部としてお前を歓迎する」



ランのこの言葉だった。


いや、歓迎してくれなくても構わないから。


え、え、幹部?


話がぶっ飛んでいるのは気のせい?



「そんなっ、幹部だなんて・・・・・・、ろくに喧嘩もできない俺がそんなっ」



「大丈夫だ。


喧嘩なんて、そうそう起きねぇよ」



リツのその言葉に、ルイがうなずく。


まあでも、この方が情報を得やすい、のかな?



「入れ」



男でも惚れてしまいそうになる優しい声が、あたしの耳に届いて。


うなずくしか、選択肢が残されていなかった。



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