その手に錠をはめるまで
「だいたい、ここはただの集まりだ。
幹部だからって、何もすることはない」
リツが呟くように言う。
何もすることがないって、何もしなくていいの?
「お前を幹部にしたことに反対するのはもちろん、俺たちに歯向かうような奴が出てきたら、壊すしかないけどな」
安心できないんだけど。
むしろリツの言い方だったら、逆に心配になる。
「それとぉ、呼び捨てにしてくれていいからねぇ~?」
「そんなっ、恐れ多くてできませんよ!」
あたしが言うのにルイはなおも詰め寄る。
ああ、めんどくさい。
この押し問答、いつまで続くかな?
「呼べ」