その手に錠をはめるまで


急な問いに、男たちは黙り込むしかない。



「あんたたちは、こんなことするような奴らじゃなかったはずだ」



その言葉に、皆が皆息をのむ。



「俺らがっ・・・・・・こんなことをしたのは」



言いたくない、けれど少しでも自分たちを見てくれていた人が目の前にいる。


だから、彼らの1人が重たい口を開く。



「Rと名乗るあの男が、あの人が、しろとそう一言、言ったからです」



漆黒の男は目を細めて周りを見渡す。


彼らの周りには、白い薬が入った袋が散らばっていた。



「薬は人を壊すだけなのに」



呟いた男は、悲しげにそれらを回収していく。



「あんたたちは吸っていないだろう?」



「っ、なんで・・・・・・」



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