その手に錠をはめるまで
その言葉に安心した少女の両親たちは、わずかに微笑みを浮かべる。
『最後に、娘に』
少女の父親の言葉に、母親が話し出す。
『響姫っ、大丈夫よ。
こんな日が来ると分かっていたの。
愛しているわ、いつまでも』
『俺たちは、一足早くお前を上から見守っているだけだ。
だから、どうか生きて・・・・・・』
その言葉を最後に、金属が床をこする音が聞こえ、男たちが2人の原形をとどめないほど切り刻む。
異様な光景。
親の死にざま。
恐怖で引きつる少女の顔。
少女の頬を濡らすのは、彼女の涙。
大きな血だまりができていくそこを、目を逸らさずに見つめていた。
憎しみに燃える目で––––––