その手に錠をはめるまで

錠3



あれから2日程経って、LOCKに足を運んでみた。


まあ、言うまでもなくダルい。


行動も男になりきらないといけないし、格好も格好で大変だよね。


眠たいし疲れるし、自慢の伸ばした黒髪も見せられないし。



「レイっ、来てくれたんだ~」



その間延びした声に、あたしは辺りを見渡す。


ここはまだ繁華街で、LOCKまではあと30分は要する。


もしこの声の主がルイなら、いや、もしかしなくてもルイであるのは確かだけど、どうしてこんなところにいるの?


あたしを尾行していたとか?


でもそれなら一昨日雨がいたから気づいてくれていたはず。


あたしでもましてや雨さえも気づかなかったってこと?



「ルイさ、ルイ!


ルイも今からですか?」



とりあえず、バカっぽさを演じておく。



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