その手に錠をはめるまで
あたしはそれでも心配そうにして、彼に近づく。
ふふっ、いじめがいがあるよね?
いつもの間延びした声を出す余裕もないのか、あたふたとする彼は存在感を真っ先に消そうとする。
あははっ、おもしろい。
でもね、もうすでに見切っているから、そう簡単にあたしの前から消えれるだなんて思わない方がいいよ?
「ルイ、なんでそっちに行こうとするんですか?」
あたしは彼を追いかけながら、彼の正面に移動する。
これでもう逃げられないよ?
「っ、キミは一体なんなんだよっ」
もう離れてくれこれ以上傍に来ないでくれ逃がしてくれ
そんな彼の言葉が聞こえそうになるけど、あたしは微笑みながら見つめるだけ。
そもそもあたしは警察だ。
追いかけるなと言われても、本能がそれを邪魔するんだから仕方がない。