その手に錠をはめるまで
「俺はただの弱い人間ですよ」
呟いた言葉は決して嘘ではない。
だってあたし弱いもん。
どんなにすごい人間でも、弱い。
それに例外は要らない。
ただ、弱いと思うレベルが違うだけだったり。
そういうものなんだよね。
「キミはっ、なんでLOCKに来たんだっっ。
危険因子でしかなさそうなのにっ」
もちろん。
あたしは危険因子だ。
いつだって裏切ることができるし、信じている人の情報でしか動かない。
「俺が、危険因子なんですか?
俺が、ダメなんですか?
存在自体もって、そういうことですか??」
悲しそうに、しゅんとしながらあたしは切に問う。
これには返す言葉がなさそうだ。