その手に錠をはめるまで
「行くぞ」
ランの言葉にあたしたちは黙ってついていく。
「新しい新入りか?
にしては、ヤワな感じだなぁ」
「見たこともないな、アイツ」
「だけどここにいるっていうことは、それなりの奴なんだろ」
・・・・・・非難の声もすごいけど、同時にあたしが強いだろうと期待している奴もいる。
うーん、困った。
苦手分野だからなぁ、喧嘩って。
「何も言わないのか、レイ」
「言ったらいーと思うよぉ?」
ランの言葉は別として、ルイの言葉には少し毒が入っている。
気のせいかな?
間延びした声はいつもとあまり大差なくて、それでも少しの怯えが見え隠れしているのも分かる。
「何をですか?」
あたしは本当に分からないという顔をして、ポカンと彼らを見つめる。
「はぁ?
だって今の・・・・・・」