その手に錠をはめるまで
ああ、新しい新入りってやつ?
それ、言葉の意味的におかしいよね。
まあでも、あたしはそれすらも知らないふりをして貫き通す。
「?
何か言われたんですか?」
「筋金入りのバカかお前はっ」
「バカだねぇ~」
鋭い突っ込み2連続に、多少ひるむ。
いや、はぐらかそうとしてこれはないでしょ。
「なんでバカバカ言うんですか~!」
あたしはとりあえず声高々に言い放っておく。
ホントにこのバカキャラが定着してきてしまっているよね。
なんて言ったらいいのか分からないけど、とりあえずバカって言うのはやめてほしい。
「もういい、行くぞ」
ランが仕切り直してそう言った。
あたし今から行きませんって言ってもいいかな?
もう行くのが面倒くさくなって、せっかくの情報源でも、これなら雨にコツコツ調べてもらうことが1番かもしれない。
まあ、あんなにすごい雨でも調べきれないっていうのは、少し強者の予感が否めないわけでもないんだけど、ね。