その手に錠をはめるまで



「最高だ」



ランが呟いたその言葉は、あたしが反応してもいいものなのか迷う。


最高って、何に対してよ。


バカみたいだ。


結局最後は裏切られるのに、最後になったらどうせ言うんでしょ?


“裏切者”ってね。


それでもいいから、だからあたしは・・・・・・。


早く見つけなくちゃいけないのに、どうしてだか情報が出てこないし。


そんなんで見つけるだなんてバカな話だと思う。


うん、はっきり言ってね。



「・・・・・・レーイっ?」



まだ少したどたどしい彼は、あたしの狂気を少しだけ見てしまったからだろう。


おもしろい、解明したい。


うんん、それだけじゃない。


捕まえたい。


逃げるなら、追いかけてやりたい。



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