その手に錠をはめるまで
「ほら、早く入れ」
ランの呟くような声とともに、薄明りのさすLOCKに入っていく。
いつ見ても気味の悪いところだな。
思い出してしまいそう、あの赤と鉄の匂いを。
「レイ、レイ!」
そこではっとして、少しだけ揺れていた自分の体に気づいた。
ああもう、あたしは何をやっているの。
「おっ、2日前の・・・・・・」
そう声がして、ちらりと顔を上げると、いつしかの門番がいて。
「あの時の!」
なんだかずいぶん前のことのようだ。
最近は時間の感覚が分からなくなってきていると思う。
気を付けないとなぁ。
「よかったな、ここに入る許可をもらえたんだろ?」