その手に錠をはめるまで
門番に気づかれないような声でそう呟いたあたしは、さっさと中に入っていく。
遅すぎると不審に思われるからね。
前覚えたあの場所に向かってゆっくりと歩いていく。
「レイ~、遅いよぉ~」
角を曲がったところで聞こえた、ルイの声。
待っていてくれたのか。
「すみません!
場所が分からなくなって・・・・・・」
嘘だけどね。
「ルイ、あそこに行くまでに遠回りさせたか」
ただでさえややこしい道なのに
めんどくさそうに言ったランは、ついてこいと前よりも楽な道を教えてくれた。
その道のおかげでずいぶん楽になったっていうね。