その手に錠をはめるまで



「改めてレイの襲名式をしたい」



突然そう言ったラン。


みんなはすでに席についていて、誕生席だけが1つ空いていた。


あたしは1番下に座っていて、みんなは意外と適当だ。



「えっ、それって・・・・・・」



「そうだ、俺ら以外のメンバーにも紹介したい」



でもそれじゃあ動きにくくならない?


あたしを知られるとまずいかなあ、なんて。



「いや、そんな!


俺なんか幹部にふさわしくないんですからイヤですよ!


もし突然襲われたらどうすればいいんですか!!」



必死な顔をして言ってみる。


もちろん内心でも必死をこいているところだ。


考えを巡らせて巡らせて。


できるだけいい策をどんどん言ってみる。



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