その手に錠をはめるまで
「俺は何もしなくていいって、そう言ったのはみなさんじゃないですか・・・・・・」
ここまで言ってダメなら諦めるしかないかもしれないけど、まだ諦めたくないなぁ。
「分かった分かった、襲名はなしにしてやるから」
よし、リツは大丈夫みたい。
「まあ、そこまで言うんなら」
ランも大丈夫、かな。
「なんで~?
みんなにキミの存在を知らしめて~、LOCKにいるみんなに守ってもらうように言っておけばもっと安全じゃーん」
っ、ルイだけはなんだか違うようだ。
そこまで考えがいかなかったのは不覚。
でもだからといって負けるわけにはいかないんだ。
「でも俺、人前ってやっぱり縮こまってしまいますし、こんな俺じゃあ守る価値もないって思われてしまいます」
うわー、自分で言っておきながらキツいよ。
ランなんてめんどくさそうにはしているものの、本気で考え始めているし。
リツに至っては噴き出しているし。
ルイなんかもっとひどい。
ポカーンと口を開けてあたしを見つめている。