その手に錠をはめるまで


今日は萌恵奈と学校に行くって約束をしちゃったから、行かないといけないのはホントに分かっている。


でも、行く意味ないし。


楽しくないし。


友達いないし。


勉強めんどくさいし。


制服が、この上なく似合っていないし。


うん、最後の以外は少し大げさだったかもしれない。


だけど、あたしからしたら大事なことだ。



「響姫~!


早くー、遅い~」



あたしを急かすこの声の主と一緒に学校だなんて、辛い。


萌恵奈はかわいいから結構有名だけど、あたしは誰だーってなるよね、普通に考えて。



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