その手に錠をはめるまで
部屋の扉を挟んで向こう側にいる萌恵奈に、とりあえず適当に返事をしておく。
「もうっ、響姫入るよ!」
あたしの親友が強情だって忘れていたかも。
扉が開く音がして、鏡越しに萌恵奈が入って来たのが分かった。
我慢をしろ、我慢を。
「今日は学校に行きたくない・・・・・・」
「何言ってんのっ、今日こそは行くよ!」
そう言う萌恵奈にあたしは条件のいい提案をしてみる。
「学校休んで今から2人で遊びに行く?」