その手に錠をはめるまで


部屋の扉を挟んで向こう側にいる萌恵奈に、とりあえず適当に返事をしておく。



「もうっ、響姫入るよ!」



あたしの親友が強情だって忘れていたかも。


扉が開く音がして、鏡越しに萌恵奈が入って来たのが分かった。


我慢をしろ、我慢を。



「今日は学校に行きたくない・・・・・・」



「何言ってんのっ、今日こそは行くよ!」



そう言う萌恵奈にあたしは条件のいい提案をしてみる。



「学校休んで今から2人で遊びに行く?」



< 91 / 169 >

この作品をシェア

pagetop