その手に錠をはめるまで
「うっ、それは・・・・・・」
あともうひと押しってところか?
「ね、行きたいで・・・・・・」
あたしが『行きたいでしょ』と言い終わる前に、突然鳴ったあたしのスマホ。
ちっ、っと軽く舌打ちしつつ、電話に出る。
『学校、行くって言ったよな?』
「・・・・・・なんのこと?」
昴からの電話で、低い声が響く。
『まさか萌恵奈を一緒に休ませようとか、考えてないよな?』
全部読まれている。
怖っ。
「そんなわけないじゃない、行くよ学校。
当たり前だし」