その手に錠をはめるまで



「響姫って、自覚がないのがいいんだか悪いんだか分んないんだよね」



「いやいや、人並みくらいの姿だからね?


凡人の極みだしさ、制服はホントに似合っていないでしょ?」



なんだかんだと言って楽しい萌恵奈との会話をして、あたしたちは学校に行く。


案外このくらいの時間に登校する人はいるもので、その人たちは真面目そうな人たちばかり。


あたしたちの学校に真面目な人が多いっていうだけかもしれないけど。



「いつもみんな早いんだ」



呟いたあたし。


もちろん『普通じゃん』って笑われたけど。



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