その手に錠をはめるまで


あれからすぐに学校に着いたあたしたちは、他愛もない話をしていた。



「席に着いてください」



少しガヤガヤとした教室に先生が入ってきた瞬間、みんなが各自の席に戻り静かになる。


やっぱり真面目な学校だな、ここ。



「今日は転校生が1人来ています。


前々から言っていましたが、歓迎しましょう。


入ってきてください、加賀美くん」



ボーっとしていたら入ってきた人。


あれ、おかしくないか?


そこに見えたのは、ぶすっとした顔のリツ。


周りのミーハーな女子も騒ぎ始めるし。


ということはホントにリツなんだ。



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