君じゃなきゃ
ゴンッ!!
「痛てー!」
またもや真沙のパンチで玉砕!
「拓海、急ぎすぎ! ……ちょっと早くて私……。」
あっ……、またやってしまった……。
だめだ俺は……!
俺は真沙を優しく抱きしめた。
真沙の心臓のおとがドキドキと伝わってくる。
そっと真沙の頭を撫でた。
何度も何度も撫でた。
「ごめん。真沙。俺、焦った。」
「うん。ごめん。……私こそ。キスぐらいでダサいよね…………。」
「大丈夫。真沙が大丈夫になるまで俺待つから。」
真沙がゆっくり俺の体を離して、俺の顔を覗き込んだ。
「大丈夫になるまで待てなくて、他でヤったりしない?」
うっ……、信用されてない……って、そりゃそうだよな……。
今までがひどかったから……。
「真沙が俺のものになったから、もう他の誰もいらない。俺は真沙だけがいい。二度と他の女とはしない。」
「本当に?」
真沙が又は上目使いで俺を見てくる。
だから、それは反則だってーの!
俺はまた優しく真沙を抱きしめた。
二度と離れないように。
大切な真沙を傷付けないように。
「約束する。絶対に。」
すると、真沙が初めて俺の背中に手を回し抱きついてくれた。
俺は真沙の背中を肩を頭を優しく優しく撫で続けた……。
長い間、勘違いですれ違い余計な遠回りをしてしまったが、ようやくお互いの思いが伝わった。
大切にするよ、真沙……。