君じゃなきゃ
そんな私はいつしか、女子高生によくある会話、つまり男子の話ね、誰が好きとか誰がカッコいいとか、そうゆう話にキャピキャピ入れなくなっていた。
周りに作られた自分のイメージにあった自分を演じていた。
何でも出来てカッコいい自分を。
本当はそんなんじゃなかった。
毎日一生懸命だった。
みんなに気を使い、勉強も運動も人一倍努力した。
知らないこと分からないことがないように、いつもアンテナを張って気を張って……。
だから本当は拓海の事が好きだったけど、ミーハーと思われたくなくて隠していた。
社会人になってもその癖は無くならず、毎日毎日自分を作るのに必死だった。
そんな中、嬉しいことに拓海とは卒業してからも、みんなで集まるときの幹事を二人でやることが多く、自然と仲が続いている。
そして、私の隠している恋心も続いている……。