君じゃなきゃ
俺は真沙の頬を片手で優しく触った。そして、今のいままで泣いていた涙が頬に付いているのを指で優しく拭った。

真沙がビクッとするのが分かった。

今度は指で優しく真沙の唇を触った。柔らかくてピンクの唇。

「ち、ちよっと、拓海……」

「しっ……、俺は真沙のことが好きだ……。真沙も俺のことが好きなら
動かないで……。今から愛の告白をする。だから聞いていて。」

そう言うと俺は真沙のことを抱きしめた。そして、真沙の白くてなめらかな首筋に顔を埋めた。

真沙がドキドキしているのがわかる。

可愛すぎて抱きしめる力が強くなった。

「真沙。俺は真沙が好きでした。ずっとずっと前から好きでした。遊んでばかりの俺のことを軽蔑せず、いつも俺の側にいて、 いつも話を聞いてくれた。俺は真沙の存在の大切さに気が付いたよ。
誰よりも大切で、ずっとずっと一緒にいたい。守ってあげたい。こんな俺だけど、真沙、俺の側にいて。」

「拓海……。私もずっとずっと好きだったよ。拓海の言葉、信じていいのかな……。」

俺は顔を上げると真沙の顔と向き合った。おでこがくっつくくらいに近付けて真沙の顔を見た。

「俺を信じて。絶対に裏切らない。約束する。」

真沙が困ったように目を潤ませて上目使いで俺を見る。
だめだ、反則だその顔は……!
必死に理性を押さえている俺に追い討ちをかけるように

「拓海のこと信じる。でも……私、恥ずかしいけど初めてだから色んなこと知らないけど、嫌じゃない……?」

そんなこと、そんな潤んだ瞳で見つめられて言われたら、もう俺限界……!!

「真沙、……俺が教えてあげる。本当は少しずつゆっくり教えてあげたいところだけど、もうだめ……!俺がまん出来ない……。」

それだけ言うのが限界で俺は真沙の唇を奪った。
俺は真沙の唇を激しく啄んだ。柔らかくて甘くて……。
真沙の息があがっている。
俺も息が上がり気持ちが押さえられない。
真沙の口を強引に押し開けて舌を入れた……。
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