強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
パタン



マンションの自室に戻り、今日の一日を振り返る。
時計は午前2時15分。
長い一日だった。


朝一、桐島部長に怒鳴られたのに、ついさっき、その桐島部長にキスされた。
明日も会社なのに、どうやらこのままでは眠れないらしい。
風呂に湯をいっぱい張り、このままじゃ3時間も寝られないだろうなと思いつつも、ゆっくりと湯に浸かる。


今日を振り返る。
振り返れば振り返るほど、思い出すのは桐島部長のことで。
どうして、駅に来てくれたんだろう?
どうして、私にキスしたんだろう?
どうして、帰り際、奏汰に見せつけるように、再度、キスをしたんだろう?


何をどう考えても疑問ばかりで、その答えは出ない。




ベッドで目が覚めたのはアラームが鳴る5分前だった。
3時間も寝てないのに、アラームより先に目が覚める。
これは相当重症だなと、クスリと自笑する。


手短に身支度を整え、一本早い電車に乗ろうと、部屋を出た。
出たところに、奏汰が立ってた。



「何?どうしたの?」
「今日は送ってってあげるよ。」
「いいよ。小学生じゃあるまいし、一人で行ける。」


そう言って奏汰の横を通り過ぎようとすれば、腕を掴まれた。


< 10 / 84 >

この作品をシェア

pagetop