強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
オフィスで
優雅に手を振る奏汰に、舌を出して、私は会社に向かった。
目の前には私より少し先に会社を目指した桐島部長の背中が見えた。
駆け出せば、きっと追い付くであろうその背中に、私は駆け出せない。
私が後ろを歩いて来るのは、きっとわかっているだろうから、振り向いてはくれまいか?と、期待してしまう。
エレベーターホール、私はその大きな背中に追い付いた。
降りて来たエレベーターに桐島部長は乗り込んだ。
人数オーバーで私はそのエレベーターには乗れず、エレベーターの中の桐島部長に視線を寄越せば、射抜くように私を見詰めていた。
「おはようございます。」
オフィスにそう声を掛け、自席に腰を掛ける。
「昨日は大丈夫でしたか?残業、遅くまで掛かったんじゃないですか?」
隣の席の碧ちゃんにそう声を掛けられ、昨夜の出来事が思い出される。
「うん・・・終電逃した。」
「そんなに!!大変でしたね。タクシーで帰ったんなら、結構金額掛かったでしょ?」
「・・・・うん・・・けど、仕方ないよ・・・私のミスだし。」
桐島部長に送って貰って・・・キスされて・・・・
そんなことは碧ちゃんには口が裂けても言えなかった。
「深月!」
上座から声が掛かった。
「はい。」
桐島部長の元へ急ぐ。
碧ちゃんは私を憐みの顔で眺める。
昨日までの私なら、その碧ちゃんの顔に、同調していただろう。
けど、今日は違う。
「昨日の見積書、出来てるんだろう?」
「はい。」
〈昨日〉、と言う言葉が桐島部長の口から出て来て、ドキリとする。
再度、自席に戻って、見積書を片手に、部長の席の前まで行く。
「昨日は本当にすみませんでした。これ、新しい見積書です。お願いします。」
差し出した見積書を桐島部長が受け取る間際、フッと触れた部長の指先。
私の鼓動は一気に跳ね上がった。
触れた指先が熱い。
目の前には私より少し先に会社を目指した桐島部長の背中が見えた。
駆け出せば、きっと追い付くであろうその背中に、私は駆け出せない。
私が後ろを歩いて来るのは、きっとわかっているだろうから、振り向いてはくれまいか?と、期待してしまう。
エレベーターホール、私はその大きな背中に追い付いた。
降りて来たエレベーターに桐島部長は乗り込んだ。
人数オーバーで私はそのエレベーターには乗れず、エレベーターの中の桐島部長に視線を寄越せば、射抜くように私を見詰めていた。
「おはようございます。」
オフィスにそう声を掛け、自席に腰を掛ける。
「昨日は大丈夫でしたか?残業、遅くまで掛かったんじゃないですか?」
隣の席の碧ちゃんにそう声を掛けられ、昨夜の出来事が思い出される。
「うん・・・終電逃した。」
「そんなに!!大変でしたね。タクシーで帰ったんなら、結構金額掛かったでしょ?」
「・・・・うん・・・けど、仕方ないよ・・・私のミスだし。」
桐島部長に送って貰って・・・キスされて・・・・
そんなことは碧ちゃんには口が裂けても言えなかった。
「深月!」
上座から声が掛かった。
「はい。」
桐島部長の元へ急ぐ。
碧ちゃんは私を憐みの顔で眺める。
昨日までの私なら、その碧ちゃんの顔に、同調していただろう。
けど、今日は違う。
「昨日の見積書、出来てるんだろう?」
「はい。」
〈昨日〉、と言う言葉が桐島部長の口から出て来て、ドキリとする。
再度、自席に戻って、見積書を片手に、部長の席の前まで行く。
「昨日は本当にすみませんでした。これ、新しい見積書です。お願いします。」
差し出した見積書を桐島部長が受け取る間際、フッと触れた部長の指先。
私の鼓動は一気に跳ね上がった。
触れた指先が熱い。