強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
定時後、皆が続々と帰る中、一人、パソコンに向かい、新しい見積書を作成する。


時計の針はどんどん進み、日付が変わろうとしていた。



「やっと、終わった・・・」


ひと息吐く暇もなく、終電に駆け込もうと身支度をし、会社を後にする。


プラットホームに滑り込む最終電車に乗り込もうと駆けるも、電車のドアは私の目の前で非情にも閉じられた。


今日は厄日だ。
肩を落として駅を出る。


どうしよう?
タクシーで帰るしかないか・・・


と、思いながらも、携帯を取り出した。



ルルルルル・・・・・ルルルルル・・・・・



『楓?どうした?』
「終電、逃した・・・」



電話の向こう、女の声が聞こえた。


「奏汰、ごめん。やっぱりいい・・・」
『良いよ。会社の近くの駅?待ってて。』




新城奏汰。
モデルもこなす、若き青年実業家。
そんな彼がどうして私の言いなりになってくれるのか?って?



私達は幼馴染。
そうただの幼馴染。
けど、産まれた時からずっと一緒に育った私達。
いくら奏汰だけが、聡明で美しく育っても、私達の幼馴染と言う関係は、この年になっても崩れてはいなかったから。
ただそれだけ。
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