強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
タクシーで桐島部長の家を目指した。
良いんだろうか?
このまま、桐島部長のお宅に行っても良いのだろうか?


私自身の心の準備と、気持ちの準備が出来ているんだろうか?



タクシーは閑静な住宅街の一軒の家の前で止まった。



「ここだ。」



大きなその家は一人で住むには広すぎて、まだ家主が帰っても居ないのに、部屋に点く明かり。


そうだ。桐島部長はもういい歳。
結婚してたっておかしくない。
私、バカだ・・・・



「何してんだ?行くぞ。」


タクシーを降りてしまっては、もうどうしようもない。
桐島部長の後を着いて行った。




「ただいま。」
「おかえり、凌。」


家の中から出て来たのは、桐島部長にふんわりと似た、落ち着いた雰囲気の女性だった。


「こいつ、部下の深月楓。今日、泊める。」
「こんばんは。急にすみません。桐島部長にはいつもお世話になっています。」


頭を下げれば、「まぁ、こんな可愛くて若いお嬢さんを連れて来るだんなて、凌も隅には置けないわね。」と、肩を抱かれてリビングへと通された。



「どうした?何見てる?」
「あの~、お母様と二人暮らしなんですか?」
「あぁ、去年親父が亡くなって。母親一人置いとけなくてな。一人暮らししてたマンション引き払ってこっちに来た。ま、転勤で会社からも近くなったしな。」
「そうなんですね・・・」


てっきり、綺麗な奥様が出て来ると思ってた私は、少し拍子抜けした。


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