強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
お母様が煎れてくれたコーヒーを頂き、他愛ない話をし、私は楽しいひと時を過ごした。


お母様はとっても優しくて、明るくて、さっきのことが嘘のように忘れられて。


「すみません、部長。」
「何謝ってんだ。お袋も喜んでる。」
「あの・・・部長。」
「なんだ?」
「今日はありがとうございます。本当に。」


理由も聞かず、私を家に招いてくれた部長に本当に感謝する。
また、お母様も見知らぬ女を受け入れてくれ、本当に良い家族だと思った。




「楓さん、凌の部屋に布団を敷いたんですけど、良かったかしら?」
「え・・あの・・・部長は何て?」
「凌?何も言ってなかったわ。」
「そうですか。本当に今日はありがとうございました。」
いいえ、とんでもない。


お母様はそう言って、優しい微笑みを掛けてくれ、ご自分の部屋に戻られた。



先にお風呂に入った部長がリビングに戻って来る。


いつもは上げられている前髪が、下ろされていて、それでいて、乾き切ってないその髪は男の色気をしっかりと出してた。
羽織られたシルクのシャツから覗く胸板は鍛え上げられ、品矢かに動く腕や手から目が離せない。


「何見てる?」
「いえ・・・」
「風呂、行って来い。」
「あの・・・コンビニ、行って来ても良いですか?」
「どうしてだ?」
「着替えとか・・・化粧品とか・・・」
「あぁ、悪い。そうだな。連れてってやる。」




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