強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
月曜日、会社に桐島部長に伴われて出社した。
やはり、エントランス手前の玄関に、奏汰の姿はあった。



近づいて来る奏汰に、顔を向けることすら出来ない。
一昨日の怒りに満ちたその顔が、忘れられなかったから。


スッと、桐島部長が奏汰側に立ち、私と奏汰の間に壁を作ってくれた。


その桐島部長が見えないとでも言うのだろうか、奏汰は私に声を掛けて来た。


「楓・・・・・話しよう。」
「私に話すことはない。」
「今日、帰り、待ってる。ね、だから、話しだけでも聞いて。」



奏汰を振り切って社屋の中に入った。
私達のやり取りを何も言わず見ていた桐島部長が、エレベーターホールに到着した時、口を開いた。



「一緒に帰るか?それとも、アイツと話すか?」


一昨日の今日で、気持ちの整理がついているわけではない。
かといって、奏汰と話し合わないわけも行かない。
揺れ動く気持ちの中、私は部長に、



「一緒に帰って貰っても良いですか?」



と、言っていた。


「あぁ、わかった。定時には終われない。終わるまで待っておけ。」
「はい・・・・・」


口調はキツいけど、私を思ってくれる気持ちは、その振る舞いから感じ取れた。
肩を並べて歩く私に、桐島部長はずっと歩幅を合わせてくれていた。


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