年下の彼♪



兄は小さく笑っている。


「沙羅は、俺しか愛さない。そう言っていたじゃねーか!」


剣幕のように怒る弟。


冬斗からして見れば、沙羅からしたように見えたのだ。


兄―秋人は、小さく嘲笑った。


思いっきり、傷ついた顔。


何か反論しようと思った。


しかし、キスしたのも事実だし。


何の言い訳にもならない。


何も言えなかった。


そんな沙羅を見て、無言で家から出て行く冬斗。



< 64 / 81 >

この作品をシェア

pagetop