mariage~酒と肴、それから恋~《3》
付き合ってたとき、何してたんだっけ?(苦笑)


好きだった期間は長かったけど、成就した期間はあっという間に終わった恋だったもんな~。


二人きりのデートも片手で数えるほど。

キスも一回だけだ。


「三井くんも休日出勤大変だね~。仕事忙しいの?」


仕事の話題を振ると、三井くんは「参ったよ」と疲れた表情をして見せた。


「新人が突然退職してさ~、やってるはずの仕事、全然やってなくて。結局俺がやるはめになったんだよね」


「えー!それ災難だね。その新人、何で辞めちゃったの?」


「連絡も入れずに何度も遅刻してくるから、注意したら辞めた」


「マジで?!」


「退職願いの電話、親がしてくる始末。全く最近の若い奴らはどうなってんだか」


「ほんと。欠勤の連絡をメールでしてくる子もいて、びっくりする」


「いるいるそういう奴」


うんうん聞きながら、同調し合う。

まさか三井くんと、こんな普通の会社員愚痴トークができるなんて。
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