mariage~酒と肴、それから恋~《3》
そして、月曜日。普通に出勤。


「皐月さぁん、土曜まで出勤して仕事されたんですかぁ?ありがとうございました」


残業の原因作った部下が悪びれる様子もなく、ていうか、他人事のように礼を言ってきた。

たいしたタマだ。誰のせいで…!!と言いたいところだけど。


「いいよ。無事終わったから」

ニコリと機嫌良く笑いかける。


以後気をつけるように。とか嫌みの一つでも言われると思ってたんだろう。

何も言わない私を見て、部下は訝しげに首を捻りつつ離れて行った。


部下のことは、今はどうでもいい。


仕事を片付けつつも、頭をよぎる。

黙って出てきたけど、三井くんどう思ったかな?

どう思われてても、もう終わったことなんだけど。


三井くんの家に入ってすぐに借りた洗面所に、女物の化粧水が置いてあった。


一人暮らしは間違いない。でも、泊まりに来る女がいる。

シラけるからそれ以上女の影を探したりしなかったけど。


分かって寝た。後悔はない。


燃え残しは、燃え尽きたのかな…?

よく分からない。
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