翼をなくした天使達
「1年前もそうやって蒼井を犯人にしたんでしょ
?そんな事して楽しい?」
蒼井は平気なフリをしてた。
自分の素行の悪さは自覚してるし疑われても仕方ないって諦めてたのかもしれない。だからどんな噂が流れても無視してたしどうでもいいって言ってた。
でも本当に?
「君は何を言ってるの?確かに以前一方的に殴りかかられた事はあるけど話した事もないし………
何か勘違いしてない?」
保坂はなだめるように話した。
きっとどんな事を言われても自分が不利になる事はないと余裕があるんだろう。
「話した事はない?昨日自分から久しぶりって蒼井に声をかけたのに?確か再会の記念にタバコ買ってあげるとか言ってましたよね?自らくわえタバコしながら」
私の言葉に「え……」と周りが固まったけどそれはすぐになくなった。
「タバコ?そんな体に害があるもの吸いたくもないしまだ未成年なのにあり得ませんよ。ね?先生方」
逃げ道を別の方に向けさせ校長も「保坂君があり得ない」と笑った。
耳障りな笑い声。
現実でもここでも理不尽な事は変わらない。だけど逃げたいと思わないのは自分の正義の方が正しいと胸を張って言えるからだ。