翼をなくした天使達
教室の空気がピリッとしたのを感じた。
これは前にも感じた事がある。
いじめのリーダーに逆らわない事は暗黙のルールであり、それを破ったらどうなるかみんな知っている。
「は?」
沙織が私を睨んだあと、少し不適に微笑んだ。
「ってかこの前の事件の時もそうだけど、あかりはいつから正義のヒーローみたいなキャラになったの?もしかしてそれがカッコいいとか思っちゃってる?」
沙織が床に落ちた花をわざと踏んだ。
「ってか最近浮いてる事多いしなんでかな、とは思ってたけどなに?こそこそと橋本と仲良くしてたってわけ?」
「………」
「私が橋本の事嫌いなの知ってるよね?ってか友達とか言わないよね?」
「友達だよ」
「はぁ?マジで言ってんの?超うける。もしかしてあかりも暗い系なの?」
沙織の笑い声にみんな敵になりたくないから同じように笑う。
「ってかあかりって下ネタになるとすぐ消えるしノリ悪いなーって思ってたんだよね~。良かったじゃん橋本。お友達が出来て」
橋本さんは勿論なにも言えず、私に悪いと思ったのかずっと下を向いていた。