翼をなくした天使達


夜になって美保は並んで寝ようと言った。ベッドで二人はきついし落ちそうって事になって仕方なく床に二枚布団を敷いた。

「ちょっと狭いね」

「いいじゃん、たまには」

まるで修学旅行の就寝時みたいでちょっとソワソワする。電気を消すと壁に貼ってある蛍光色のシールか光っていた。

耳をすますと電車や猫の喧嘩が聞こえてきて、
自分の部屋で迎えない夜の音を聞いていた。

もしかしたらこんな風に美保と過ごすのは最後になるかもしれない。

ふっとそんな事を思った。

もし本当に私が消えてしまって、みんなの中にいる今の私も消えてしまったらと考えた。

最初からタイムリミットがあったのか、
それとも別の場所に行くのかは分からない。

だけど消えかけてる事に意味があるなら、
きっと強さを知った私の心にあるんだろうと思う。

もうこの世界は必要ない。

都合のいい世界じゃなくても大丈夫だって、
誰かが言ってる気がする。

でも待って。

本当に私、今消えてしまっても後悔はないの?

もう二度と伝えられなくなるかもしれないのに
本当に私はなにも言わなくていいの?


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