翼をなくした天使達
その答えにたどり着いた瞬間、羽が生えたように心が軽くなって手を見るとまた透けていた。
それはどんどん広がって、自分の肌でさえ触れない。
「え、え……」
今まではすぐに戻ったはずなのに全然戻らなくて蒼井に助けを求めた。
「どうしよう……蒼井」
いつもなら近付いてきてくれる蒼井が来てくれない。それどころか手すりの向こう側を指差してそこに立てと言う。
怖いから嫌だと言っても蒼井は怖い顔しかしなくて、私は言われるがままその場合に立った。
僅かな隙間に立つ私の足は震えていて、思わず手すりに掴まってしゃがみこんだ。
………立てない。顔に当たる風さえもバランスを崩しそうで怖い。
「もう、こんなところに立てとかなんなの?」
私は蒼井に向かって叫んだ。
もしかして恐怖で透明なのが治るとか思ってる?
そんなビックリしてしゃっくりが治るみたいな簡単な話じゃないよ。むしろ深呼吸してリラックスした方が………
「───お前は戻れ」
色んな葛藤と戦ってる中、蒼井の声が飛んできた。