翼をなくした天使達



「そのホウキどこから持ってきたんだ。とりあえず危ないから下ろしなさい!」

………ホウキ?

一体なにが起きてるの?すると……

「あかり、聞こえる!?」

美保の声が飛んできた。

もしかして騒ぎを聞き付けて止めにきた?
でもなんだか様子がおかしい。

「聞こえるよ!美保!」

私は届くように大声で叫んだ。


「私あかりが大好き!友達以上の親友だって思ってるし、この先もずっとそうだよ!」

「美保……」

「でもあかりには後悔して欲しくない!だから離れても2度と会えなくても私はあかりの事応援する!」

…………美保。

私も美保の事大好き。きっと美保なら卒業して大人になっても繋がっていられる自信がある。その存在を手放したらこれから出逢えるか分からない。

「紺野さん!」

次に私を呼んだのは橋本さんだった。


「私紺野さんが居たからいま笑えてる。みんな私を無視しても紺野さんだけは私に手を差し伸べてくれた!すっごく救われたし嬉しかった…っ…」

「橋本さん……」

「だから今度は私が紺野さんを助けるね!事情は分からないけど紺野さんがやろうとしてる事なら私も応援したい」

大声を出すタイプじゃないのに届いた声。

二人はドアをこじ開けようとする先生達を必死で追い払おうとしていた。その戦ってる様子が声で分かる。

私だけだ。まだ悩んでいるのは。

みんながこんなにも背中を押してくれてるのになにを迷うの?私はどうしたいの?

情けなくて涙が溢れた。


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