翼をなくした天使達

●終わりと始まり

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暗闇だった場所から見えた光。その光に包まれた瞬間、私は目を覚ました。

見慣れない天井。薬品の匂い。体を動かそうとしても全然動かなくてとりあえず目線だけを横に向けた。

………ここは病院？

私戻ってきたの？それとも失敗した？

まだ意識がもうろうとする中、右手にわずかな感触が。よく見るとそこにはお母さんが私の手を握りながら眠っていた。

「………お…母さん……？」

出した声はか細くて、何日も声を出してなかったそんな感じ。ハッ！とお母さんはすぐに目を覚まして私を見る。

「あ…あ……あかり……」

目に涙をたくさん溜めたお母さんが私の頬に触った。

………暖かい。もしかして私現実に戻れなかったのかな？分からないけど今は頭が回らない。

「ごめん、あかり……ごめんごめん……」

お母さんはそう何度も私に謝ってた。

「１番味方にならなきゃいけない私があかりを苦しめてた。ごめん……あかり。お母さんを許して」

あぁ、ここは現実だ。

お母さんの指には結婚指輪はなくて、テレビ台の上の時計を見ると時間は向こうで私が飛び降りた時間と同じで、日付は………

私が自殺未遂した５日後になっていた。

どうやら私はその間ずっと眠り続けていたらしい。