翼をなくした天使達
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それから1ヶ月後、私はいつものように自分の部屋で目を覚ました。目覚まし時計を見て慌てて階段を駆け降りると、リビングから朝食の匂いがした。
「あかり、おはよう」
新品のエプロンをして台所に立つお母さん。
換気扇は強のはずなのにフライパンからは焦げた目玉焼きの匂い。もしかして……と覗くとそこには最早たまごではない黒い物体。
「ごめん、また失敗しちゃって…」
「はは、いいよ。それよりお弁当は……」
「作ったんだけど……ほら」
「………うん。今日は学食で買うから平気」
ここはあの理想の世界じゃない。
台所に立ってるのは本物のお母さんで普通に話せてるのも現実の私。料理はまだ慣れないみたいで失敗だらけだけどお母さんはお母さんなりに努力してくれている。
「いってらっしゃい」
私は見送られて靴を履いた。
病室で目覚めた後、脳の検査やカウンセリングを受けて私は2週間で退院した。それからお父さんも心配して会いに来てくれて私は両親にいじめられていた事を告げた。
その生徒と親に会いに行くと言ってくれたけど私はそれを断った。そして転校しようと言われたけどそれを断ったのも私。
また現実生活で学校に通いはじめて今日で3日が過ぎた。