翼をなくした天使達

そして他にも変化した事は私をいじめていた
〝まりえ゛が少しだけ孤立している事。

私が自殺未遂した事で主犯格だったまりえの風当たりが強くなり、周りを取り巻いていた友達達は手のひらを返したように離れていった。

友達は多い方が勝ちだって思ってたけど違う。

どんなに風当たりが強くても側を離れない友達がひとりいればいい。そんな友達関係をまりえは築けていなかっただけの事。


「………あかり」

休み時間、私はまりえに呼び出された。

勿論、いつも取り巻いていた野次馬達は居ない。

まりえから名前で呼ばれたのは久しぶりだった。
いじめられてる時は「あいつ」としか言われてなかったから。

いつも自信満々でプライドが高かったはずのまりえの顔は若干疲れていた。好奇の目に晒される事がどんなに辛いか少しは分かっただろうか……。


「あかり……私、その……」

まりえの指先がモジモジと動く。

動揺したり余裕がない時の癖。私は友達だったからよく知ってる。

まりえがなにを言いたいのか分かったけど私はその前に自分から言った。


「私、謝られても許す気ないよ」