翼をなくした天使達



私に沢山の事を教えてくれたあの世界は遠くても何百光年離れてても必ずあると私は信じてる。


「それでどうやって戻ってきたの?」

「なんか自覚っつーか認めたら俺も消えた」

………認める?
悔いがある事とかやりたい事とか?

確かにそうかも。私も認め始めた時から現実と心が重なって、引っ張られてるような気がしたし。


「おい、のろのろ歩いてんじゃねーよ!くそ」

その時、登校中の生徒の1人が男子に背中を押されてドサッと膝間付いた。

「はは、転んでるし」

みんな素通りで手を差しのべる人はいない。

私は確かに何かを変えたかもしれないけど、それは本当に小さな事で根本的な事は何も変えていないのかもしれない。

「大丈夫?血が出てるけど」

私はカバンから絆創膏を取り出した。

「うん、平気……」

「貼ってあげる」

「えっと……」

「あ、私紺野あかり」

「紺野さん……。長谷川沙織です。
絆創膏ありがとう」

それでも私は自分が正しいと思った事をするし、
人に優しい人でありたいと思う。

だってその勇気で明日が変わる時もある。


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