翼をなくした天使達
「おはよう、あかり。今日1時間目マラソンに変わったらしいよ。先週は雨でできなかったからって。最悪じゃない?」
美保は髪をポニーテールに結びながらブーブーと文句を言っていた。
マラソンか……苦手だな。持久力ないし体育はそもそも不得意だし。美保は最悪と言いながらいつも上位でゴールできるから羨ましい。
「あれ?右耳またピアス開けた?」
髪を上げた美保の耳には見慣れないピンク色のピアス。
「うん。おとといに。あかりも開けなよ!全然痛くないしピアスおそろいで付けたいのに」
「えーでも穴開けるの抵抗あるし。私血とか見るだけで貧血起こすタイプだからさ」
針とか包丁とか尖ったもの見るだけで駄目だしピアスを開ける仮定を想像しただけで気分悪くなる。
「もぉーあかりは変な所臆病なんだから。じゃピアスじゃない別のおそろいのもの今度買いに行こう」
美保は可愛い。
最近かけたパーマも似合ってるし爪もいつも綺麗にしてる。性格も明るいし人懐っこいから今じゃクラスの中心になりつつある。