翼をなくした天使達
「……蒼井も喧嘩とかするんでしょ?」
なんとなく聞いてみた。
「は?」
「1年の時当時の3年と揉めて停学処分になったって聞いたけど」
先生の机にあった校内新聞を読む気もないのに手に取ってみたりして。だってベッドは占領されてるし教室には戻りたくないし。
すると背後に気配を感じて振り向くとそこに蒼井が立っていた。
「な、なに……いたたたたっ!」
何故か蒼井に頬っぺたをつねられた。しかもけっこうまじで痛い。
「ちょっとなにすんの!?」
蒼井を突き飛ばして睨んだけど頬の痛みの方が勝ってる。
「余計な情報頭に入れるぐらいなら肝心な事思い出せバカ」
「だ、だからってつねる?普通加減くらいするでしょ」
「加減したけど?」
だったらまじでこいつは馬鹿力なんだ。馬鹿はどっちだっつーの。
「言っとくけど全然進展してないわけじゃないからね!今朝は変な事あったし」
「変な事?なに?」
あんまり思い出したくないけど一応あの砂嵐の出来事を話した。あの瞬間は多分一瞬だったんだろうけど私は長い間ずっとあそこに立っていた気分だった。
あれが一体なんなのか。
説明なんて出来ないけど泣いていたのも苦しそうにしてたのも私だった。