翼をなくした天使達
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それから午後の授業が終わってホームルーム。クラスメイトの一部が妙にそわそわしていて、いつも早く終われと思ってる濱田先生の話がずっと続けばいいと願っていた。
「ねぇ、いま秀が橋本のこと呼び出したからみんなで校舎裏に見に行こうよ」
………きた。
忙しいふりをして早く帰ろうと思ってたのに沙織に捕まってしまった。
「あ、私は……」
「行く行く!別にこのあと用事ないし。
ね?あかり」
美保にそう言われてしまい何も言えなくなってしまった。自分の流されやすい性格は分かっている。
嫌なものは嫌と言えたらどんなに楽だろう?
「どうなるかな?秀君けっこうカッコいいし言葉上手いから橋本さんOKしちゃったりして?そしたら私たち損しちゃうね」
校舎裏に向かう廊下。
美保とは友達だしこれからも仲良くいたいって思ってる。でもごめん。今回の美保は正直嫌だよ。
なんでそんなにワクワクしてるの?
なんでそんなに楽しそうなの?
理解できないよ………
「おい、蒼井!」
その時、大声で名前を呼ぶ濱田先生が走ってきてたまたま蒼井が呼び止められていた。
いつも保健室とか科学室とか誰もいない場所で蒼井と会うけれど、やっぱり普通の生徒の中に混ざっていると一際目立つ。
校則はそこまで厳しい学校じゃないけど、歩く度に人が避けていって蒼井自身も近付くなオーラが半端ない。