翼をなくした天使達




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次の日の朝、外は大雨だった。夜中の内に雨雲は通りすぎると言っていたのに天気予報の嘘つき。


「あかりおはよう。ソーセージとウインナーどっちがいい?」

リビングに行くとすでに朝食のいい匂いがしていた。テーブルには湯気のたったご飯とお味噌汁。そして半熟の目玉焼きに焼き鮭が並んでいた。

「ウインナー。あれこれ私のお弁当?」

私は椅子に腰掛けながらピンクの包みを指さした。

「そうに決まってるでしょ?なに寝ぼけてるの。
昨日は白ご飯だったけど今日は混ぜご飯が入ってるからね」

確かに昨日のお弁当は白いご飯だった。おかずはエビフライと唐揚げ。その前もずっとずっとお母さんは欠かさずお弁当を作ってくれている。

あれ、なんだかまた頭がズキズキする。

「どうしたの?」

お母さんは心配そうにウインナーを目玉焼きと同じ皿に盛り付けた。

「ううん。なんでもない」

「そう?あ、今日パートの時間が少し長引いちゃうかもしれないけど遅くなっても30分くらいだからね」

最近起こるこの偏頭痛はなんなんだろう。

痛みは一瞬だし我慢できないほどじゃない。雨が降ると気圧が変わるからそのせいとか?

とにかく風邪だけは引きたくないなぁ。学校休みたくないし。


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