翼をなくした天使達



だってどうしても橋本さんを放っておけなかった。手首を怪我されてそれでも大丈夫と言う橋本さんを助けたかった。

それから案の定、犯人探しが始まった。

「つーか急にアンケートとかおかしくない?誰かが濱田に言ったとした考えられない」

特に沙織やその友達は焦るというより、犯人探しでさえ楽しんでるように見えた。

「アンケート真剣に書いてた奴とか怪しくない?
なんか男子で何人かいたけど」

「男子?やっぱり女子じゃない?裏でチクってそうな奴いそうじゃん」

「ってかさ、橋本本人なんじゃないの?」

どうしよう。そんなつもりじゃなかったのに橋本さんに火の粉が………。

「まぁ、私チクりとか許さないし?むしろうちらのはいじめじゃないし。逆にいじめとか誰がやってんだろ。濱田のやつ他のクラスと間違ってんじゃね?」

沙織の高笑いが耳に響く。

いじめじゃない?どの口が言ってるの?
みんな偽物のどうでもいい世界なのに沸々と何かがわいてくる。


「あかり、ちょっと来て」

名前を呼ばれて動揺したけど私を呼んだのは沙織ではなく美保だった。


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