ああ、初めまして。


その後の検査の結果、

もう生活に支障が出るような結果はなく、

晴れて退院することになった。


「もう、事故に遭わないようにね?」


ニコニコと笑いながら言う医者。


私だって遭いたくて遭ったわけではない。

ムッと思ったものの、

それは口には出さずに会釈する。


「じゃあ、そろそろ行きましょうか?」


お母さんが、そう言いながら

私の洗濯物を手にする。

お父さんはそれを聞いて、

病室に持参したらしい、パイプ椅子を持つ。


私は看護士さんからもらった花束を持ち、

エレベーターでフロントへ向かう。




花はとてもいい匂いがした。





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